浜松発信の総手縫いのレザーブランド、leather works ittenの革職人のブログ。物づくりを通して日々感じたことなどをつぶやきます。

ねじ捻。

みなさん、こんにちは。

sassiです。










今日はまたまた技術的なお話。


【ねじ捻】です。





今回、こちらの道具も生徒さん、クラフトマンの方に
何本かご予約頂いている道具のひとつです。






ねじ捻。







使い道としては、主に手縫い用の縫い穴を開ける為のラインを引く道具です。





ねじ捻。






先端が2つに分かれていてネジによる幅の調整ができます。
右側の先端が少し長くなっている為、
右側を革の断面に合わせスライドする事により
断面から均等な幅でのラインを引く事ができます。




ねじ捻。







革製品の手縫いは強度があり丈夫という特徴がありますが、
全てはバランスの問題と思います。


ミシンで使用できないような、強度のある糸を使用しても
太すぎたり、立体的になり過ぎても摩擦の原因となり、
切れやすくなる可能性があります。

糸が切れる主な原因は、
摩擦と水分を含む事による劣化。
今回は摩擦のお話ですが、水分の対策は処理と素材の問題です。


糸が細くても、糸の素材と処理の仕方。
摩擦がないように処理すれば問題なし!!!






そんな時に活躍するのがこのねじ捻。
ただステッチラインを引くのではなく、沈み込ませる事ができます。





ねじ捻。

ねじ捻。






革を湿らせたり、ねじ捻に熱を入れたり。
方法は様々ですが、先端の加工と熱入れができるこのタイプは便利です。

一般的なものはメッキが掛けてあったり、素材的にしっかり熱が入らなかったり。
先端を削って加工すると錆びてしまったり・・・


また、コンビネーションを含むクロム系やエキゾチック系の
普通ではしっかりとラインが引けない素材にも重宝します。

と〰っても薄い革や、と〰っても柔らかい革など、
少しでもテンションを掛けたくない場合も熱入れで大丈夫!!!




銀面を削り取って沈み込ませるグルーバーや、
コンパス型のディバイダーもありますが、
美しい銀面を削り取ってしまう事は少々抵抗があります。
ディバイダーはグリップがないので、しっかり力が入らず、
安定感がちょっと気になります。
沈み込ませる程は厳しいですね。


あくまでも、私の場合はですが・・・





エッジからの幅を割と狭めに設定しているので、
繊細さと安定感、力加減がとても重要となります。






ねじ捻。






幅は調整可能ですが、ラインの太さや尖り感は調整できないので(研がないと)、
革やステッチに合わせて違う種類のねじ捻を使い分けるのも良いと思います。

重要なのは左側の角度と形状だと思いますが、
右側が長すぎると薄い革には引けない事と、
逆に短すぎると、柔らかい革や厚い革の時に不便という・・・





とても重要な道具と、作業工程のひとつです。






それでは・・・




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この記事へのコメント :

としぽん
押忍!勉強になりやした!
2012年06月18日 15:33
ittenitten
としぽん さん


ムフフ・・・
昨日はどもっ。。。

いろいろ注文してくれてありがとね〰。
多分、劇的に作業効率と仕上がりが変わると思いますよ!
ブランクがあるから比べられないかもしれないけど・・・

全部揃えられるように頑張りますよ。
2012年06月18日 20:52

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